そう言えば討ち入りの日だ! 正確には旧暦だろうけど!

ハックルベリー=フィンの冒険 (上) (偕成社文庫 (3027))
ハックルベリー=フィンの冒険 (下) (偕成社文庫 (3028))

ハックルベリー・フィンの冒険
マーク・トゥエインのあまりにもあまりにもあまりにも有名な作品。
今更説明の要はないでしょう。
トム・ソーヤーの冒険からわずか、今度はハックが主人公。
黒人奴隷のジムと一緒に逃亡生活みたいな話です。
凄くいい加減なあらすじですね。
ヘミングウェイに「アメリカ文学の最高峰」と言わしめたこの作品にはマーク・トゥエインの人間観がたっぷり出ていると思います。
なんと言ってもハックがあまりにも良すぎる。
トムはたんなる無邪気な天才なのに対して、ハックはその育ちから少しひねたものの見方をしていますし。

It was a close place. I took it up, and held it in my hand.
I was a trembling, because I'd got to decide, forever, betwixt two things, and I knowed it.
I studied a minute, sort of holding my breath, and then says to myself:
‘All right, then, I'll go to hell’― and tore it up.
It was awful thoughts, and awful words, but they was said.
And I let them stay said; and never thought no more about reforming.

‘All right, then, I'll go to hell’
「わかった、それなら俺は地獄へ行こう」
黒人奴隷ジムと天国を天秤に掛け、地獄行き、すなわち友人を助ける事を選ぶハック。
大江健三郎がそこに感銘を受けたと言っています。
あとまたエロゲの話ですがRoutesでもこれ言ってました。
確かにこのシーンは凄く心に残る。
たかだか12才前後のガキが友人と神様を天秤に掛け(掛けさせられ)、
そして友人を助ける方を選ぶのは大変な恐怖との戦いだった事は容易に推測できます。
ハックは常に自由を選び続け、そして自分の正しいと思った方向、それが世間の常識に反していてもそれを選びます。
この意志の強さは見習いたい。
根底に流れる人間愛というか、そう言うものにやはり惹かれるものがあります。
トムではハックとの友情に憧憬を覚え、そしてハックが好きになり、
この作品で益々ハックのような友人が欲しくなりました。
これは屹度俺にとっての御伽噺なのでしょう。
ハックのような友人を見つけること。男にとってのオトギバナシはきっとそういうところにある。
この作品はトム・ソーヤーの冒険と合わせて、個人的に「男の子のバイブル」だと思っています。
みんな読めよ! 男なら読んでおけって!


ちなみに前述のRoutes、ねえさん(梶原夕菜)シナリオは基本的にずっとハックルベリー・フィンの冒険でした。
七海(立田七海)は七海でなんかフリッツ・ハーバーハーバー・ボッシュ法)の伝記だし。
真島昌利もハックの唄いっぱい唄ってるな。どうでもいいけど。
あと、斉藤和義とかも。
さらにどうでもいいけど、田舎弁ってなんとかならないんですかね。
ハックが「おら何々するだ」とか喋るとは思えないんだけどなあ。