Dort, wo man Bücher verbrennt, verbrennt man am Ende auch Menschen
(本を焼くものは、いずれ人をも焼くだろう)
−−ハインリヒ・ハイネ

ASIN:4150401063
華氏451度。
レイ・ブラッドベリのあまりにも有名なこの作品、いまさら説明の要もないでしょう。
マイケル・ムーア監督のあれもこれから取られたものだし。
ただ、マクルーハン理論などと絡めて語れるだけの知恵も知識もありませんので、
相変わらず感情論をぶちまけます。例の通り役には立ちません。


中島敦はその作品、文字禍のなかで、人間は文字を手に入れ、本能を失ったといいました。
文字を手に入れ、思考を残す手段を手に入れ、そして、そこから飛躍してゆく。
本能は失ったけれど。
ジョージ・オーウェルはその作品「1984」の中で作りました。
ニュー・スピークという新言語を。
文字を、語彙を奪い、思考を、思想を奪ってゆく。無知は力である。


アイザック・アシモフディストピア小説は退屈である、と喝破しています。
確かにこれは事実でしょう。
ディストピア小説はがんじがらめの枠で縛られているから。
その世界はそれ以上のものをもたらさないから。


冒頭に挙げた詩が全て。
本を焼くものは、いずれ人を焼く。
個性化などという言葉は嫌いだけれど、個性を、アイデンティティを、
思考を奪う、そんなホロコーストな世界には反吐が出る。
現在の日本と絡めたり、世界と絡める気はないです。
というかそこまで言ってるとただでさえわけがわかんねーのにもうどうしようもなくなる。